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子どもの姿勢が気になるー姿勢が悪い原因と改善方法4選

 
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結婚して7年。長女と長男を授かり4人家族。福岡私立福岡女学院大学人間関係学部子ども発達学科を卒業。現在、発達障害や知的障害を抱えるお子さんの療育に現役保育士として携わっている。応用行動療法、TEEACH、PECS、感覚統合など様々な観点から、科学的根拠に基づき子どもを観て、子どもが自分で育とうとする力を育てる保育を目指している。

4月になり、それまで保育園や幼稚園に通っていた子ども達は、大きなランドセルを背負って小学校へ入学したことでしょう。

保育園や幼稚園生活とは違いお勉強の時間が断然に増え、ご家庭でも机に向かって宿題をする機会が増えたことと思います。

その中で子どもが宿題をする姿を見て、姿勢の悪さを感じた方も多いのではないでしょうか?

「ほら姿勢が悪いよ!きちんと座りなさい!!」

と何度も叱ってもなかなか改善しない・・・なんて感じる親御さんがほとんどだと思います。

この記事ではそんな姿勢の悪い子どもを改善する方法を、療育施設で保育士として勤めているきょうこが紹介していきます。

なぜ姿勢が悪いのか

姿勢が悪いと

「この子やる気がないんじゃないのかしら?」

と考えてしまう親御さんが多いと思います。

その考え、あながち間違ってはいないのですが(笑)

でも根本的な原因はそこではありません。

 

なぜ姿勢を正しくして座れないのか。

それは、姿勢を正しくして座るるための筋肉がついていないからなのです。

「姿勢を正しましょう」と号令を聞いたらシャンっと背筋が伸びますね?その時の体はどのような状態ですか?

きっと体に適度な力が入っていると思います。そう。つまり姿勢を正しくするためにはお腹や背中、さらには手腕や足の筋肉が育っていないといけないのです。

 

生まれたばかりの赤ちゃんを想像してもらうとわかりやすいかもしれません。

生まれたての赤ちゃんは首さえもしっかりしておらずずっと寝てばかりですね。

そこから手や足をバタバタと動かせるようになり、そして寝返りができるようになる。

さらにお座りができるようになってハイハイができるようになり、そして立つことができるようになります。

 

このようにただ寝ている状態から自分で体を動かせるようになるのも、動かすために必要な筋肉が育ってきているからと言えるわけです。

筋肉にも個性がある

ここまで記事を読まれたら、

じゃあ、筋トレをしたらいいのね」

なんて考える方もいるでしょう。もちろんそれは間違っていません。

 

ですが子どもの中には、もともとの持っている筋肉がゆるい、もしくは硬い性質の場合もあります。

療育業界ではよく知られている話ですが、筋肉がゆるいことを「低緊張」、筋肉が硬すぎることを「過緊張」といいます。

わかりやすくいうと、低緊張は伸びきったゴムのようなダラーン感じで、過緊張はゴムが硬すぎてピンっと常に張っているような感じの状態です。

 

低緊張の場合、座るために必要な強さの筋肉を作ることが苦手です。

そのため椅子に座っても机に頬杖を突いたり、足を椅子の座面に上げていたり、お尻が座面の前にずれたような座り方になります。

 

一方過緊張の場合、筋肉が強いのだから姿勢だって正しく保てるだろうと思うかもしれません。

しかしそうではなく、過緊張の場合だと必要がないところでも筋肉に常に力が入っている状態です。

つまりエネルギーもその間ずっと使っている状態になり、疲れやすい特徴がります。

すぐに床でゴロゴロする、歩いてもすぐに「疲れた」と言う場合、過緊張からくるものかもしれません。

 

今あげた状態、理由を知らなければ「うちの子はなんてだらしないんだ」と、ネガティブに評価をしてしまう姿ですね。

ですが根本的な理由さえわかれば、むやみに叱るのではなく、子どもが姿勢を正しく座るために必要な環境を整えてあげることができます。

 

以下からは姿勢を改善するの具体的な改善策をお伝えしていきます。

姿勢を正しく座るための改善案:椅子を工夫する

最初にご紹介するのは、物理的な環境を変える方法です。

しかし、物理的な環境配慮は姿勢を正しくするための補助的な対策になることが多く、根本的な解決になりません。

後に根本的に姿勢を改善するための方法を記載しますの。

そちらと合わせて取り組むと、よりよい効果が得られます。

改善案① 姿勢矯正椅子を使う

普通の椅子に置くタイプの矯正椅子です。

子どもの体にフィットするような設計で作られており、それに座るだけで自然と体が伸びるようになっています。

 

椅子の前に踏み台を置くなどして足がきちんとつけることも忘れずにサポートしてあげてください。

改善案② バランスボールやジェリーフィッシュチェアを使う

椅子に座っているとき、姿勢が悪いだけでなく体のどこかが動いていてジッとできていないことはありませんか?

そんなお子さんには、バランスボールやジェリーフィッシュチェアがおすすめです。

 

その姿が気になり療育施設で一緒に働いていた言語聴覚士さんに相談しました。
そして勧められたのがバランスボールやジェリーフィッシュチェアでした。
このような椅子は座るとグラグラと揺れて不安定です。
そんな椅子に座って安定するのか疑問を持つかもしれません。
しかし、人間不思議なもので、体が不安定になると元に戻ろうとする力が働きます。
その仕組みを生かしてこれらの椅子を使い姿勢を正しくしようというわけです。
特にバランスボールはご存じのように球体なので、普通においていても転がります。
しかし動くからと言って下の部分を固定してしまうと、さきほどの不安定な体を元に戻そうとする力が働かなくなります。
なので壁や棚を利用して後ろに倒れないような場所に配置して、安全に気を付けながら使うことをおすすめします。

姿勢を正しくするための改善案:全身運動ができる機会を増やす

この改善案はすぐに効果を得られるものではありません。

しかし姿勢が悪いのは、姿勢を正しくするために必要な筋肉に適度な力を入れられないことが原因です。

その力を養うためには、体をしっかり使うことが大切です。

 

「じゃあ、今から筋トレすればいいんだな!!」

という安易な考えもいけません。

 

子どもはやらされると途端にやる気を失います。

やらせるのではなく、大人が一緒に楽しみながらやってみる。

その中で子どもの体が自然と動いていることが重要なポイントです。

 

大人も一緒に取り組めば、親御さん自身のダイエットや健康面の改善にもつながります。

ぜひお子さんと一緒に取り組んでみてください。

改善案③ 公園で遊ぼう

公園にはブランコや滑り台、ジャングルジムなどいろいろな遊具があります。

この遊具で遊ぶことは体の筋肉を使うのに絶好のチャンスなのです。

 

大人になればブランコなんて簡単に乗れてしまいます。

しかし子どもからするととても難しい乗り物です。

ブランコに乗るためには、まず手で横にある鎖をしっかり握らないといけません。

さらにあのグラグラと揺れる座面から落ちない程度の腹筋や背筋力がないと、後ろにひっくり帰ってしまいます。

自分の3歳になる息子も、まだ後ろに親がついていないと危なっかしいのは、自分で体を保つ力がないからです。

そんなブランコに30分も40分も乗ってみてください。大人なら普通に筋肉痛になります(笑)

それだけブランコは地味ですが筋肉を使ています。

 

滑り台もそうです。あの斜面を体を座った状態で維持しながら滑るには腹筋や背筋に適度な力を入れ、姿勢を保たなければいけません。

また滑り台を滑るためには階段を上らないといけないので、手足の運動にもなりますよね。

また、ルールとしてはいけないことかもしれませんが、滑り台を逆走することも、姿勢を正しくするためには最適な遊びです。

滑り台を逆走するためには、手や足お腹や背中など全身に力を入れられるからできる技です。

危ないからと止めてしまうのはとてももったいないことなんですよ。

 

公園では遊具だけでなく、グラウンドで遊ぶことも有効です。

特におすすめなのが、鬼ごっこ。

鬼ごっこなんて小さい子でもできるわ!と思うかもしれませんが、ずっと走り回っているので結構疲れる遊びですよね。

走る行為は全身運動にもなるので、姿勢を正しくするために必要な筋肉を鍛えるためにはうってつけの遊びというわけです。

 

ただの鬼ごっこだけでなく、高鬼にすれば必然的に高いところに上ります。高いところに上るためには自分の体を上に持ち上げなければなりません。

その動きも実は体を支える筋肉を育てるためにいい動きと言えます。

 

公園での具体的な遊び方をお伝えしてきましたが、親が「あぁしよう、こうしよう」と言わなくても、子どもは勝手に遊び方を考えます。

その時に多いのが、危ないからと止めてしまうことです。

せっかく体をつくるチャンスなのに、それを止めてしまってはもったいない。

私は、そんな時に止めるのではなく、危なくないように見守ることも、姿勢を正しくするために必要な筋肉を鍛えることに繋がると思っています。

改善案④ 大きな声で歌おう

歌が本当に上手な人って、体で歌っている人が多いですよね。

体で歌っているというのは、つまりお腹の底から声を出しているということです。

お腹の底から声が出るということは、お腹の筋肉を使っているということです。

つまり姿勢を正しくするために必要な筋肉が鍛えられるということなんですね。

 

ここでは歌手になることを目的にしていませんから、下手くそでも構いません。

大きな声で楽しく歌うことを大切にしてみましょう。

 

また歌うことが苦手な場合、おしゃべりのように声を出すだけでも構いません。

わざと聞こえないふりをするとか、少し距離を開けて、そこから今日あったことを伝えることで大きな声を出す機会が作れますね。

改善案⑤ 習い事で体をつくる

ある程度の年齢になると習い事を考える方も多いと思います。

習い事の中にも姿勢を改善できる習い事があります。

 

もちろん体を動かすスポーツ系ではありますが、ここでもポイントがあります。

それは、全身をバランスよく使えるスポーツかということです。

野球やサッカー、テニスなどは利き手で道具を持ち、利き手側の体をメインに動かします。

そのため、片側の体の筋肉だけ発達し、体のバランスが悪くなってしまいます。

 

オリンピックで有名な室伏広治選手。

そのお父さんが、「5歳まではいろいろな運動をさせたほうがいい」と言っていたという話を聞いたことがあります。

それは体のバランスを均等にするために必要だから、発せられた言葉だと思います。

 

ではどのような習い事がいいか。

それは、

 

空手・柔道・剣道・水泳・ボルタリング・ダンス・ヨガ・・・などなど。

 

今挙げた習い事は、動きの中で左右差が少ないものばかりです。

今は、アクロバットな動きが習える場所もありますが、そんな習い事もおすすめです。

 

まとめ

小学生になると、授業の前に「姿勢を正しましょう」は決まり文句ですね。

授業中、姿勢が悪いことが評価に繋がることもあります。

 

療育施設で働く私としては、姿勢が悪いことを評価すること自体どうなんだと思ってしまいます。

しかし、姿勢が悪いと呼吸が入りにくく、体調が崩れやすいことや、イライラなど、体の不調が多くなることも事実です。

姿勢を正しく保つことができれば、体調がよくなることはもちろん、勉強や作業に集中できるメリットが大きいです。

 

ただ、普段から勉強や学校での人間関係で疲れて帰ってくる子どもたちに、家庭では姿勢を正しくしろ!!と怒るのもまたストレスになってしまいます。

だからこそ大人が一緒に楽しく体を動かして、また環境を整えてあげて、無理なく姿勢改善を行っていくことが大切だと思います。

 

また、大人でも長時間姿勢を正しくすることは難しいことです。

仕事中、ずっと正しい姿勢でできていますか?テレビを見ているとき、ご飯を食べているときの姿勢はどうですか?

こうやって考えると、大人だって難しいことです。

 

改善策を試してみたからと言って、今日明日すぐに良くなるわけではありません。

また、悪い姿勢に見えたとしても、その姿が子どもにとってはリラックスできる姿勢と考えることもできます。

だから子どもがリラックスしているような状況の時は、姿勢が悪くても見守ってあげることも、時には大事なことです。

この記事を参考にしながら、楽しく子どものそしてあなたの姿勢改善に努めてみてください。

 

この記事を最後まで読んでくれたあなたが、少しでも幸せな子育てができますように・・・。

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結婚して7年。長女と長男を授かり4人家族。福岡私立福岡女学院大学人間関係学部子ども発達学科を卒業。現在、発達障害や知的障害を抱えるお子さんの療育に現役保育士として携わっている。応用行動療法、TEEACH、PECS、感覚統合など様々な観点から、科学的根拠に基づき子どもを観て、子どもが自分で育とうとする力を育てる保育を目指している。

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