アトピーに原因ってあるの?~痒くなるその前になんとかしたい~
こんにちは!現役薬剤師のハルです!
痒い、痒い、掻きすぎて血が出て肌が汚く見えてしまう…
そんなアトピーで悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
身近にアトピーで悩んでいる人がいて、アトピーにならないようにしたいな、と思っているかもしれません。
今回はアトピーの原因について紹介していきます。
アトピーの原因について理解すれば、アトピーの対策や予防ができるようになります。
アトピーで悩んでいる方はぜひ最後まで読んでみてください。
アトピーの原因って?
アトピーにはっきりとした原因はあるのでしょうか?
何故アトピーになってしまうのでしょうか?
それは皮膚のバリア機能が壊れてしまうからなんです!
バリア機能とは、その名前の通り皮膚を守ってくれる機能のことです。
皮膚はいくつかの層でできています。
皮膚の外側の層を角質といいます。
アトピーの人はこの部分が傷ついており、バリア機能が低下しています。
角質が傷つくとなぜバリア機能が低下するのでしょうか??
角質が傷つくことにより、必要なものが出て行って、不必要なものがどんどん入ってきてしまうからなんです!
角質が傷つくことにより出て行ってしまうものの一つは、潤いに大事な水分です。
角質が傷つくことによりどんどん水分が蒸発してしまいます。
不必要な物質とはダニやほこり、花粉、食べかすです。聞くだけでかゆそうな物質ですね。
バリア機能が低下すると、ダニやほこり、花粉や食べかすが、傷ついた角質からどんどん入っていきます。
こうしてバリア機能が低下することで、痒みを引き起こす物質が体の中に入りアトピーを引き起こします。
または皮膚を作るためのたんぱく質の機能が低下してアトピーを引き起こしてしまうのです。
痒みが出ることで掻いてしまい、さらに角質が傷ついてバリア機能が低下し…負のループになってしまいがちなのがアトピーの怖いところです。
アトピーって遺伝なの?
自分がアトピーだったから、子どももアトピーになってしまった。
そう悩まれているお母さんは多いです。
ごめんね、痒いよね。お母さん(お父さん)のせいだよね。
こんな風に自分を責めていませんか?
私も2児の母親です。二人とも生後1か月から皮膚科に連れて行っています。
連れて行くのが遅かったのではないかとすら悩みました。
だからこそお伝えしたいことがあります。
アトピーと遺伝は関係はあります。
ですがそれはたくさんの原因がる中の一つでしかないということです。
- 遺伝
アトピーはアトピー遺伝子を持った人しか発症しません。
家族に免疫異常を起こしやすい体質の人がいるならば、それは遺伝します。
- 環境
食べ物、衣類や洗剤などの体に触れるもの、カビやほこりなど吸うことで体に入るもの。様々な環境因子がアトピーを起こします
- ストレス
受験や失恋、転職など環境の変化などのストレスがアレルギーを引き起こす原因になることもあります。
このようにアトピーの原因は様々です。
だからこそ、「もしかしたら遺伝のせいかもしれないね」程度に考えて欲しいのです。
私はママやパパが自分に責任を感じなくていいと思います。
アトピーやアレルギーのない両親から生まれた子どもと比べると、アトピーやアレルギーのある両親から生まれた子どもがアトピーになりやすいことは事実です。
しかし、最近の研究でアトピーを限りなく予防すできる事がわかってきました。
それが次で説明する徹底した保湿です。
お母さん、お父さん、患者さんご本人の辛い気持ち、しんどい気持ちを保湿に向けてみてください!!!
アトピーの予防
乳児湿疹という言葉をお母さんなら聞いたことがあると思います。
生後1か月前後か赤いぷつぷつが出て痒そう、湿疹なのかな?アトピーなのかな?そう思ったこともあるでしょう。
生後間もなくの乳児湿疹はアトピーとはっきり診断がつきにくいのです。
ですがこの時期の予防がその後のアトピー発症に大きく影響します。
もうそんな時期すぎたよ、って方も安心してください!まだ間に合います!
アトピー予防の一番の基本は保湿!!!これだけです!
保湿ってどういうこと?
化粧水??
と思われるかもしれません。
ここからは保湿の仕方を具体的に説明します。
アトピー予防のための保湿の仕方
①清潔にしてから保湿を行う
汚いままで保湿…いかにも菌を閉じ込めてしまいそうですよね。
石鹸で洗うと乾燥するのでは…?
ノープロブレム!!!
むしろ石鹸で洗って清潔にしてあげてください。
洗った分はきちんと保湿すればいいのです!!!
ただし、傷がある、医師に洗わないよう言われている場合は無理な石鹸の使用は避けてください。
ここで言う洗浄はあくまで予防、悪化対策としての洗浄です。
重症度が高い場合などは医師の指示に従うようにしてくださいね。
②洗うときは強くこするらない
角質を傷つけないことがバリア機能の低下を防ぎます。
だからある時に強くこすってはいけません。
泡立てた泡を使い、指でこする程度で大丈夫です。
ガーゼすら刺激になる子さんの場合は、手で洗うだけで十分でしょう。
そしてこの泡をしっかりと洗い流します。泡が残っては意味がありません。きちんとすすぎましょう。
そしてタオルで「押し拭き」します。
③5分以内を目安に保湿&保湿&保湿!!!
お風呂上りや洗浄後は水分が蒸発しやすいのでスピード勝負です。
保湿剤はたっぷりと塗ってください。
目安は塗った部分にティッシュを張り付けても落ちない程度です。
かなりたっぷりと塗ります。
④保湿をする回数に制限はない
保湿は1日何回すれば良いですか?
そう聞かれることもあります。
できるなら何回でも!!!!
なぜこんなに保湿を推すのというと、保湿をすることでアトピーを予防することでできるからです。
さらに(食物)アレルギーも防ぐことができると言われているからです。
ですから、食事や授乳の前に毎回口やあご、首周りをたっぷりと保湿して、食べ物で汚れるのを防ぐことができると良いですね。
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どんな保湿剤が良い?
病院で処方されている薬があればそちらを優先してください。
基本的には、ドラッグストアで売っている肌に優しいタイプの保湿剤であれば問題ありません。
ただし、最近流行しているベビーオイルの成分には気を付けてください。
ベビーオイルの中にはピーナッツオイルが含まれているものがあります。
ピーナッツオイルとはその名の通りピーナッツが含まれているオイルのことです。
しかし、ピーナッツは食物アレルギーの原因ともなる物質です。
新生児や、アトピーが出ている肌の弱い子どもに対する使用はその後の食物アレルギーを引き起こす心配もあるのでおすすめしません。
もしドラッグストアなどで保湿剤を探す場合は、「食品成分が含まれておらず、保湿成分を含んだ肌に優しい保湿剤ありますか?」と聞いてみてくださいね。
まとめ
アトピーの原因って?
皮膚の角質が傷つけられ、バリア機能が低下することが原因です。
痒みとなる成分が、皮膚を作るたんぱく質を邪魔してしまうことが原因と言われています。
アトピーって遺伝なの?
遺伝はあくまでも原因と考えられる可能性の中のひとつです。
アトピーの予防
新生児期からたっぷりの保湿をしましょう。
どんな保湿剤が良い?
食品成分を含まない、肌に優しい保湿成分の入った保湿剤を選びましょう
たかが保湿、されど保湿です。
保湿なんて簡単でしょ?そんな声も聞こえます。
ですが、ここで説明した1日できる限り多く、各食事の前に、たっっっっぷりとの保湿をやってみてください。
大変ですよ!!!
ですが、これがアトピーの予防、そして治療で最も大事なことです。
騙されたと思って、いえ騙されてやってみてください!
おかげさまで、少しだけど良くなったんですよ、そんな声が聞こえるのを待っています。
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