【子供がアトピー体質】私の子供はステロイドと保湿で改善した
こんにちは!現役薬剤師のハルです!!
今年はさほど暑くなりすぎることもなく過ごしやすい夏で終わるかと思っていましたが紫外線もきつくなり、いよいよ夏本番!が感じられてきました。
私には2人の子供がいますが、2人とも生後1か月過ぎから皮膚科に通っています。
そして最低でも朝晩2回の保湿を徹底しているのですが、これがまぁ大変です!
せっかくシャワー、お風呂に入っても2人の嫌がる怪獣の保湿をしている間に汗だく、そんなことも日常茶飯事です。
それでもなぜ毎日続けているのでしょうか。
それは2人ともケアをさぼるとあせもが出来たり、夏なのにカサカサになってしまったりすぐに肌トラブルが起きてしまうアトピー体質だからなのです。
今回は2人の子どもがアトピー体質で、現在も治療や肌ケアを行っている私が、決して楽ではないアトピー治療体験談について書いていきます。
ですが、この記事で書いてあることはあなたのお子さんの肌トラブルを減らすことができる方法です。
私と同じようにお子さんのアトピーで悩んでいる方はぜひ最後まで読んでみてください。
そして、私と一緒にアトピー治療を頑張りましょう!!
1か月検診で乳児湿疹について医師に相談
出産という大仕事を終えたのもつかの間、すぐに育児という失敗のできない初仕事が始まりました。
冬生まれの上の子が風邪を引かないようにと神経を尖らせながら、授乳、おむつ替え、また授乳、そして家族や自分の生活、と慌ただしくすぐに1か月が経ちました。
毎日をドタバタ、バタバタで過ごす中で気になっていることがありました。
生まれてすぐの赤ちゃんは、胎脂と呼ばれる白いチーズのようなものが皮膚についています。汚れに見えますが、赤ちゃんの皮膚を守る大切なものです。
私は医療を学んでいたり、先輩ママや病院からも胎脂は剥がれてくる、と聞いていたので胎脂が剥がれ始めた時もさほど気にしていませんでした。
しかし生後3週目頃から、眉間や耳の下、まぶたの上あたりが真っ赤になったり、ぽつぽつと小さな水疱のような湿疹が見られ始めました。
これが乳児湿疹か!新生児の洗礼だな、とそれすらもあまり気にせず、ひたすら必死に過ごしていました。
ですが、更に1週間が経つ生後1か月頃には、赤みはどんどん増し、肘やかかとも真っ赤になっていました。
さすがに心配になったものの、1か月検診で相談すれば大丈夫と思い、そのまま1か月検診を迎えました。
病院で相談すると、
「乳児湿疹だろうね、赤くなってるから炎症を抑える薬をだしておくね」と言われ、アズノール軟膏が処方されました。
「1日数回、肌を清潔にして赤みがひどいときに塗ってね」という話だったので、おでこ、眉間、耳の下、かかとなどに1日2~3回ほど沐浴後や水で濡らしたガーゼで拭いた後に塗っていました。
しかし、2週間ほど経っても改善するどころがひどくなっている気がしたのです。
しかし季節はまだ冬、生後1か月半ほどの子供を皮膚科に連れていくことは非常に躊躇しました。乳児湿疹なんてよく聞く肌トラブルだし、寒い中で病院に連れ出す方が心配だと思っていましたし、主人にも同じ意見でした。
アズノールとは、ジメチルイソプロピルアズレン軟膏という成分の薬で、主にやけどや潰瘍、皮膚の炎症を抑えるために用いられる優秀な薬です。
私が薬剤師として仕事をする中でも、アズノールで炎症が改善した方はたくさんいます。
炎症を抑える薬としては優秀なアズノールで子供の肌が良くならないのは、ただの乳児湿疹ではないのではないかという心配と不安が大きくなってきました。
その気持ちは、外に連れだして風邪をひかせるかもしれないという心配よりも勝ってきました。だから子供が1カ月半の時に皮膚科を受診しました。
受診した結果、「小さすぎてはっきりと断定はできないけど、乳児湿疹とアトピーがどっちも出ているかもしれない」と言うことでした。
アトピーという単語にショックはあったものの、気持ちのどこかで納得した部分もありました。それほど子供の肌は真っ赤で、体の関節部が切れてしまったりしていたのです。
「まずはアズノールをやめて、プロペトで2週間様子をみよう」ということになりました。
アズノールは長期的に使っても基本的には問題ありませんが、保湿剤というよりは炎症を抑える薬です。
アズノールは保湿を主作用目的とした薬ではないため、プロペトに変更し一度保湿メインで治療をリセットすることになりました。
アトピー体質とわかり子どものために私が家で気を付けたこと
皮膚科を受診したのは生後2か月だったので、はっきりとアトピーか乳児湿疹のどちらかを断定することはできませんでした。
どちらにせよ、肌ケアの基本は保湿、という知識もありましたし、医師にもそう言われたので、徹底した保湿での治療をはじめました。
それまでは沐浴後と気になった時の1日2~3回にアズノールを塗るだけでしたが、沐浴後と朝は全身に、授乳前には口周りやあご周り、耳に必ず、それにプラスしておむつ替えの時に乾燥を感じたらプロペトを塗るようにしました。
1日に10回ほどでしょうか。
全身に塗るのは2回とは言え、家事や授乳、おむつ替えなどの他の育児にプラスしての保湿は私にとても負担となりました。
毎日が必死、という言葉しかなかったように思います。
医師にはまた2週間ほどで様子を見せて、と言われていたので、プロペトだけで2週間様子をみましたがあまり改善したように自分では感じられませんでした。
たかが2週間です。されど、はじめての子育ての中での2週間、とても長かったような、一瞬だったような、ただひたすらにしんどい時期でした。
そして2週間後の生後2か月半で再度皮膚科を受診し、
「いつもはっきりと言えなくて申し訳ないけれど、アトピー体質ではあるから離乳食が始まる前にきちんと治療をしておこう」
と言われ、ステロイド薬であるキンダベートとロコイド、保湿剤のプロペトでの治療が始まりました。
アトピー治療で処方された薬はキンダベート,ロコイド,プロペト
キンダベート
ステロイド薬は、強さに応じてランクが5段階に分けられています。
強さ | 薬の名前 |
strongest(最も強い) | デルモベート、ジフラール |
very strong(とても強い) | フルメタ、アンテベート、トプシム |
strong(強い) | メサデルム、ベトネベート |
medium(普通) | リドメックス、キンダベート、ロコイド、アルメタ |
weak(弱い) | プレドニゾロン、コルテス |
ステロイド薬は、症状の重症度だけでなく、部位によっても使い分ける薬です。
顔のような皮膚が薄く敏感な部位には、作用の強すぎないランクが下のステロイド薬を使います。
私の子どもには下から2番目、普通の強さのキンダベート薬は1日2回、顔周りや耳の下に朝晩で使うよう処方されました。
ロコイド
ロコイドもキンダベートと同じランクに下から2番目、普通の強さです。ロコイドはかかとに1日2回塗るよう処方されました。
ロコイドとキンダベートの違いは基本的にはあまりありませんが、本当に少しだけ(0.1%)キンダベートの方が全身、局所への副作用が弱い、という研究報告があります。
そのため、私の子供の場合には顔にはキンダベート、かかとのような皮膚の厚い部位にロコイドが処方されました。
ロコイドとキンダベートの使い分けに関しては、気にするほどのレベルではないとしてあまり厳密に拘らない場合も多くあります。
アトピー治療に必要なステロイドについては アトピーで使うステロイドの副作用って怖い?目が見えなくなるって本当? を読んでみてください
プロペト
一般的によく処方される保湿剤です。
ワセリンをご存知の方は多いと思います。ドラッグストアなどで見かけるワセリンの多くは黄色ワセリンと呼ばれるものです。
一方でプロペトは白色ワセリンと呼ばれます。黄色ワセリンとの違いは、その純度にあります。
薬の名前 | 特徴 |
黄色ワセリン | 比較的安価で手に入りやすいが、不純物が多く、かぶれる場合もある |
白色ワセリン | 黄色ワセリンよりも不純物が少なく、敏感肌や赤ちゃんに使われる |
プロペト | 白色ワセリンの純度をさらに高めた、医療機関で用いられるもの |
プロペトは保湿剤なので、基本的には使用回数に制限はありません。
べたつきはあるためあまりたくさん塗ると嫌がる子供もいますが、目に使用することもあるほど刺激の少ない薬なので全身に用いられます。
私の子供の場合は、1日数回、全身で処方されました。
最近では、新生児の段階からの保湿を勧める病院も増えてきているようです。
そして、新生児期からの保湿がアトピーを防ぐという研究報告も徐々に増えてきています。
アトピーの子供へ薬と保湿剤を塗るときのポイント
生後2か月半を迎え、ステロイド薬は1日2回で開始されました。
その頃から普段の沐浴に加え朝もシャワーを追加しました。石鹸で洗うと清潔にはなりますが必要な皮脂も洗い落としてしまう可能性があります。
そのため、朝はシャワーで軽く流すだけにして、沐浴でしっかりと洗うようにしました。
また、沐浴やシャワー後に体をふく時は、刺激を抑えるためタオルでこするように拭くのではなく、抑えて水滴を吸わせるように拭くようにしました。
そして、ふろ上がりの保湿はスピードが第一です。
ふろ上がりすぐに薬を塗ることができるよう、薬を手の届くところに準備をしてからいれるようにしていました。
タオルで押し拭きをしたらすぐに全身にプロペトを塗り、キンダベートとロコイドも処方された部位通りに朝晩塗りました。
沐浴は夜なので時間的な余裕もまだありましたが、問題は朝でした。
主人は朝シャンして仕事にいく生活だったため、子どもの朝シャワーは主人に任せました。しかしシャワー後子供を引き受けて保湿して朝食などの準備もこなし、主人を送り出す生活は本当に余裕のない朝でした。
それに加えて日中の授乳前の保湿です。
さすがに日中はシャワーではなく、濡らしたガーゼで口周りを軽く拭いてから保湿していました。
根気よく子供に薬を塗り続けた結果
そんな生活を1週間送ると、ステロイドの効果はすぐに現れ赤みが引いていきました。その姿を見ていると、私が子どもに毎日ステロイドとプロペトを塗り続けたことが認められたような気持になりました。
また患者さんのステロイドが怖いという気持ちも理解することができました。私は薬剤師ですから、アトピーや乳児湿疹の治療にステロイドが必要なことは理解しています。そんな私でも「ステロイドが怖い」という気持ちになったのです。
そうして、生後3~4か月までは2週間おきに皮膚科を受診し治療しました。
どんどん赤みや耳下などのひび割れは引いていき、ステロイドも症状に応じて1日1回、2日に1回、とゆっくりと減らしていくことができました。
「よくやった私」
そんな気持ちが胸いっぱいに広がりました。
そして、離乳食を開始するころにはたまに赤くなることはあるものの、周囲の人から、「肌きれいだね」と言われるようになりました。
子どもは今2歳半になりますが、1日2回の保湿剤のみで過ごすことができています。
子ども肌トラブルが気になったらやるべきこと
私の場合は、自分の知識もありましたが、すぐに専門機関を受診し、適切な治療を開始できたことが一番功を奏しました。
もし、病院に行くのをためらう期間がずるずると続いてしまっていたら、もっと治療に時間がかかったと思います。
乳児湿疹はたしかによくある皮膚トラブルではあります。
しかし、診断が難しい疾患でもあるため、「乳児湿疹だろう」と自己判断せず、皮膚科や小児科をきちんと受診することが重要です。
乳児湿疹やアトピーの治療薬では主にステロイドが処方されます。しかし症状によってはステロイドが処方されない場合もあります。
しかし保湿は乳児湿疹やアトピーを治療していくために欠かせません。
四六時中保湿に気を取られるのは大変ですが、できるだけこまめに、しっかりと保湿するようにしてください。
ただ、最低でも1日3回、朝晩と日中のお母さんの気持ちや時間にゆとりがあると時に、保湿をしてあげてください。
ママだって人間ですからたまには忘れることもあるでしょう。でも1回忘れたくらいであれば大丈夫です。
まとめ
上の子が2歳を迎えてすぐ、2人目の子どもが生まれました。
上の子は生後1か月まで様子見で過ごしたので、下の子は母子同室になった生後3日目からプロペトを使って口周りの保湿を始めました。
そのおかげ、というはっきりとした断定はできませんが、上の子ほど湿疹が出ることはありませんでした。
一口に乳児湿疹、アトピーとは言っても、子どもによって症状は様々です。
それでも、私は生後3日目で保湿剤を塗り始めて良かったと感じています。
最近では、新生児の段階で保湿剤を使い始めることを勧める病院も増えて来たようです。
毎日が戦いだったので、保湿や治療がストレスになることもたくさんありました。
毎日毎日、きちんと授乳前に塗れていたわけでもありません。
忘れる日、やりたくない時もありました。
それでも私が子どもの薬や保湿を続けられたのは、その時間を楽しむことを心掛けたからです。
「ぺたぺた♪ぬりぬり♪楽しいね!」「きれいになったね♪」と子どもたちに声をかけ、自分には「私頑張った!」と声に出して褒めることで楽しむようにしました。
そして今、2人の子供はたまに荒れることもありますが、大きな皮膚トラブルなく過ごすことができています。
辛い、きついときはたまに怠けても、良いんです。楽しみながら、保湿や治療を続けていきましょう!!